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ふたば/幼女戦記怪文書/ターレル

あの名文をまた読みたい人のための保管庫

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/405362095.htmより
作者:不明

そもそもレルゲンは幼女愛好者であり、早くから自らの歪な欲望を自覚していた。
それ故に一般社会に溶け込む事を放棄し、軍属の身となったのである。
幼女などとは無縁の、血と鉄と火薬に秩序で作られた世界。
レルゲンはひと時、ほんの僅かな間だったが、己の性癖を忘れることができた。
だが運命とは数奇なもので、そんな彼の目の前に現れたのは、見目麗しい可憐な少女、ターニャだった。
忘却の彼方に追いやったはずの欲が再び鎌首をもたげ、レルゲンの心は千々に乱れた。
この少女を踏み躙り、犯し、肢体を味わい尽くしたい。そして子を孕ませたい。
眠りに落ちたターニャの体を前にして、レルゲンの心は肉欲の戦場へと飛び立った。

欲望に目を滾らせたレルゲンは己の望みの赴くままにまだ穢れを知らない透けるような肌に舌でなぞっていく
「ん…うぁ…」
ぴちゃりくちゃりと水音を立てながら愛撫は続く
幼いながらも感じたのかその胸は先ほどとは変わって乳首が勃っており
頬にも少し上気したような紅がさしている
レルゲンはたまらず今度はターニャのズボンに手をかけ

ほんの僅かに隆起した乳房。色素の薄い桃色の乳暈。
全てがレルゲンを狂わせるに十分だった。
「カウパーが溢れ出グレチャフ!」
そう呟くと、レルゲンは未だ瞼を開けぬターニャの胸にむしゃぶりついた。
唾液にまみれた舌が胸の突起を這い回り、ターニャの唇から苦しげな吐息が漏れた。
手のひらで押しつぶすようにして胸を揉む。

ふたば/幼女戦記怪文書/ターレル

あの名文をまた読みたい人のための保管庫

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/508217756.htmより
作者:不明

確かに私の性自認は長年男性であったがもはやこの世界に生まれて十数年
いくら嫌がろうともこの細く頼りない肉体が幼女のソレである事を自覚せざるを得なかったが
まさかレルゲン中佐との思いがけない逢瀬の繰り返しで自分が女性である事を刻み付けられてしまうとは…
責任を取ってもらわねばならないだろう

「最初はまさかと思ったんです……ですが少佐に出た症状は間違いなく妊娠初期の症状だったのです
勘違いかもしれない、まだそうと決まった訳ではないのだからしばらくは様子を見るしかないと思っていたのですが
未熟な弦に大きな種子が実っていく有り様の衝撃は計り知れないものでした……
流石に呼び出してもらい、少佐本人から事実を聞かされたその時はとても言葉が出ませんでした……」
(ある女性軍医の証言)

ふたば/幼女戦記怪文書/ターレル

あの名文をまた読みたい人のための保管庫

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/459813552.htmより
作者:不明


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1 : 2017/10/16 18:20:44 No.459813552 ☆7
私がレルゲン中佐と体の関係を持つに至ったのは、
思慕の情ではなく後方行きのツテを期待しての事である。
そうならずとも、彼は人事部に籍を置き発言力もある英邁な男、
もし私が再び上層部から無茶を突き付けられたとしても、
この関係を楯に特別な計らいを引き出そうとも企んでいた。
しかしそれは彼に対し私が対等、或いはそれ以上の立場であるのが前提だ。
即ち、レルゲン中佐篭絡すべし。この未熟な身体で私に狂わせてやる。
その目論見は甘かった。この体になって僅か十年、更に生娘。
男を堕とすには、女としての知識も経験もあまりに不足していたのである。
一方でレルゲン中佐は男として年相応の、むしろそれ以上の手練を備えていた。
結果、私は彼にされるがまま、いとも容易く快楽の津波に飲み込まれ、
男の体の下で恥を忘れて嬌声を上げ、果ては小水を漏らしながら何度も腰を振った。
――だがまだ私は女の悦びに屈してはいない。近いうちに優位な立場を手に納めてやる。
その決意を表すように、今日も毅然とした態度で私はレルゲン中佐に臨む。…が、彼は私の耳元で呟く。
「体から石鹸の香り、か。この後に何を期待しているのかね、ターニャ?」

ふたば/幼女戦記怪文書/ターレル

あの名文をまた読みたい人用のまとめ

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/406397532.htmより
作者:不明


――いやはや、これはこれは。
レルゲン中佐に身体を抱き寄せられながら、私は心の中でそう呟いた。
彼は女性にあまり免疫が無さそうな人間だとは思っていたが、
まさか部下の、それも私のような少女に異性云々の感情を抱くとは予想外だった。
だが、思い返せばレルゲン中佐とは色々と距離感を誤ったふしがある。
先程もそうだ。抗弁の勢いに任せ、身体にべたべたと触り、息がかかるほどにぐいと顔を近づけ、
もしかしたらこの薄い胸を押し付けてしまったかもしれない。
二人きりの部屋の中で抱き合う男と女。
本来ならばもっと焦る場面なのだろうが、不思議と心の中は落ち着いていた。
むしろ、レルゲン中佐のような良識ある人物に好意を向けられている事に、
私はなぜか胸の中が温かくなるような、奇妙な心地よさすら覚えていた。

ふたば/TOA怪文書/アニスとティア

あの名文をまた読みたい人のための保管庫

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/492704250.htmより
作者:不明

おかえりティア。突然部屋に呼び出してゴメンね
コーヒーでいい?うん…少し長くなるかもだからさ
えっと、まず確認したいんだけど…ティアは私達と同じ…レムの塔までの記憶を持ってるって認識でいいかな?
…そうだよね。じゃあ早速本題に入っちゃうけど…ティアさ、ルークの事好きでしょ
今更隠さなくてもいいよバレバレだし…別に茶化そうとかいう気は全然ないからさ
私が言いたいのはもっと積極的にいっていいんじゃないかって事
いやほらルークだってきっとティアの事意識してるのにさ、二人して遠慮してたらバカみたいじゃん?
しかもルークはあのへたれっぷり!こりゃもうティアが動くしかないって!
たとえば、プライベートで二人きりの時間とか持ってみてもいいと思うんだよね。同じ夜の海を見たりさ、一緒に料理作ったり…私達も裏で協力するから。ね?
思惑って…そんな大したことじゃないですよぉ
年頃のアニスちゃんはただラブい二人を眺めてニヤニヤしたいだけって言うかぁ?
それでルークに…ちょっとでも…楽しい思い出が増えたら……いいなぁって…
え…涙…?あっ!違う、違うよこれはなんでもなくて…ただの花粉症、ホント大丈夫だから…

ふたば/TOA怪文書/ガイ独白

あの名文をまた読みたい人のための保管庫

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/493246170.htmより
作者:不明

………ん?ああ、ちょっと考え事をな…。
いや、実はルークがいなくなっちまって長いこと塞ぎ込んでたんだが、見かねたある人に「まるで最愛の恋人を失ったかのよう」なんて言われてな
まったく笑えるよな、ルークとはダチで、兄弟で、世話係で、仲間で…なのにまさか恋人だなんてさ。
それで、もしルークが恋人だったらどんな暮らしが良いか考えてたんだよ。ずっと外の世界を知れずにいて、外に出れるようになってからは忙しいばかりだったし旅行にはたくさん連れて行ってやりたいよな。行く先々で必ず一つプレゼントを贈って、いつか順番に眺めれば思い出だけで世界一周旅行ができるような部屋を作るなんてのもいいな、とかさ。
…そうだ、プレゼントといえば服もいいかもな、色んな服に着替えるの好きなようだったし…よし、そうと決まれば善は急げだ!
おっと、この話はルークには内緒にしておいてくれよ?

ふたば/TOA怪文書/ガイ独白

あの名文をまた読みたい人のための保管庫

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/493579442.htmより
作者:不明

…全く、ナタリアもアッシュも正気を疑うよ。信じられないね
早々にアッシュの奴はルーク・フォン・ファブレを名乗ってる
ナタリアもあいつのことをルークって…せめてティアの前でぐらいアッシュっていって欲しいもんだよ
そろそろ前を向かなきゃって気持ちも理屈も分かる、その名前が元々あいつのものだってのも分かってる
帰ってきたのが……それだって本当は分かってるんだよ、俺だって、ティアだってな
ルークの日記を読む度に俺達はそれを思い知るんだ
でも俺はあいつ以外をルークだなんて認めるつもりはないんだ
ナタリアに悪いとは思ってるよ…でも、まだ心の整理ってやつが付けられそうにないんだ
だからさ、本音をいうとアッシュがルークって呼ばれるのは…辛いし、納得もいかないんだよ
こういう時に限ってジェイドもだんまりを決め込んでるしな

なんてな、悪い、お前に愚痴るような話じゃなかったな!
最近のお前は頼り甲斐もでてきたからつい…な、親友として俺も鼻が高いよ
あっはははは!そうアッシュの肩を持つなよ、さ、ルーク、今日も剣の稽古するか?
それともたまには街に出るか?りんごでも噛りながらぶらぶらするのも悪くないだろ

ふたば/TOA怪文書/アシュナタ

あの名文をまた読みたい人用の保管庫

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/492580313.htmより
作者:不明

ルーク・フォン・ファブレとナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアの儀礼的婚姻が終わった日
新郎新婦となった二人は豪奢極まる一室に押し込められ、今まさに初夜を迎えようとしていた
部屋の入口には物々しい装備の警備兵が列を成して待機し、部屋への侵入と脱出とを妨げている
ありとあらゆる方面からこの初夜の重要性を突き付けられていた二人は、無意識のうちに抱いていた逃避願望を早々に捨て去っていた
「……お風呂、先に頂きましたわ」
俯くナタリアの傍を無言で通り抜けるルーク。その顔は薄暗い室内照明で半端に照らされて見え辛くなっていた
闇の中で曖昧になったルークの輪郭に二人分の影を見つけてしまったナタリアは己の眼を呪い、歪んだ顔を反射的に手で覆い隠した
それからルークが風呂を終えて帰ってくるまでの間、背を曲げてベッドに腰掛け心の中で「違う」と唱え続けた

初夜に臨むにあたり、二人は両家から万全のバックアップを得ていた
前記の通り部屋には鼠一匹の侵入も決して許さない厳重な警備が敷かれている
ルークの食事は一週間ほど前から精のつくものが中心となった献立に変化していた
更に性知識。公人としての教育に時間を割かれ満足な性教育が受けられなかった二人を慮って専門の教官が配属され、互いを悦ばせるための技術を教育した
ナタリアもルークも決して覚えが悪い訳ではない。人形相手に完璧な動作をしてみせた二人に教官は太鼓判を押し、お世継ぎが産まれる日も遠くないと歓喜した
あてがわれた部屋は家具の色調から見下ろす風景、空中に漂う香りに至るまで徹底的に計算し尽くされており、館の一室とは思えないほどの淫靡さと美しさに満ち溢れいる
それでも。それだけの援助を受けても尚、ナタリアの心は乾ききっていた。それはルークも同じであった
多くの人が幸福と信じてやまない二人の一夜は、当事者達にとって精密に構築された地獄でしかなかった

風呂を終えたルークが部屋の明かりを完全に消したのは羞恥心からではない。ただ、ナタリアが己の顔を見ず済むようにと計らった心遣いだった
「始めるぞ」
声が届いた瞬間、怯える子供のように身を縮め強く目を閉じるナタリア。その繊細な心の機微を指先の震えから察したルークは一刻も早く終わらせようと懸命に彼女の体を撫で続けた
五分。三十分。一時間経ってもなお、二人の内心に火は灯らない
ただ闇の中で蠢き続ける自らを俯瞰したルークは、その無様を倒してきた化け物のようだと自嘲する事しかできなかった
「もう十分です。挿れてください」
それは顔を腕で覆い隠したナタリアの、深い諦めから発された言葉だった
ナタリアの膣に潤いが足りていないのはルークから見ても明らかであったし、ルークの陰茎も全くと言っていい程勃起していない
だが、だからといってナタリアの懇願に反論する言葉を持たないルークは、彼女に従う他なかった
行為の手を止めたルークは、メイドの一人に予め渡されていた小瓶の中身を一気に飲み干す
それは毒だった。フォニムドクシボグモと呼ばれる蜘蛛の毒には、強烈な苦痛と不快感を引き換えに陰茎を隆起させる作用があった

痛い程腫れあがった己の陰茎をナタリアの秘所にあてがうルークの顔が痛苦に歪む
ナタリアに見せずに済んだのがせめてもの幸いだったと、そう思う他には何一つ慰めが見つからなかった
完全な潤滑不足の状態にあるナタリアの膣口はルークの侵入を拒み続け、それでもと強引に破り進もうとする度に二人分の苦悶が漏れ出す
ようやく処女膜を姦通した頃には、二人共痛みに涙を浮かべ心身の疲労から肩で息をする有様だった
それでも自分から動かなければこの状況は決して終わらないと理解していたルークが腰をナタリアにぶつけたその刹那、痛ましい悲鳴が部屋中に響く
いつかの記憶と重なる、その悲痛極まる声に気圧されたルークは思わず腰を引き、ナタリアの膣から己の陰茎を引き抜いた
「ごめんな、ナタリア」
自然と謝罪の言葉が出るのもルークにとって無理からぬ事だった。ただ、それが彼女にとって最も残酷な仕打ちだったと気付くまでに要した数秒を、ルークは心の底から悔やんだ

仮にアッシュなら、ルークが完全なアッシュであったなら決してここで引いたりはしない
ナタリアが泣こうが喚こうが、それでもこの地獄を終わらせるために前に進んだはずだ。いや、そもそもこんな哀しいだけの逢瀬になるはずがない
だがナタリアには今のルークを責める事はできなかった。それだけはしてはならないと、彼女は己を強く戒めていた
「う、うっ……」
誰が悪い訳でもない、ただ世界に引き裂かれた末の結末に、ナタリアは溢れ出す涙と嗚咽を堪えきれなかった

実時間にして二時間が経過した頃、部屋の雰囲気はもう行為に及べるような類のものでなくなっていた
幼子のように泣き続けるナタリアの手を握る事しかできないルークには、この胸が締め付けられる責め苦が永遠に続くように思えた
奈落に向かって螺旋を描く思考と耐え難い悔恨の念がお互いの心中を見たし、相手の事を思いやる余裕を失わせていた
そして未来。結婚した二人は、永遠に引き延ばされた夜を毎日のように味わうだろう
同じ部屋で、同じベッドで、世継ぎが出来るまで闇の中で行為を繰り返すのだろう
そんなごく当たり前の未来は、二人の絶望を肥大化するに足る暗黒だった

完全に黙り込んでしまった二人を包む部屋の静寂は、廊下の方から響く大きな物音で初めて崩された
メイドや警備兵の慌ただしい足音が離れていくに従って、物音はどんどん近付いてくる
武器を構えた二人の目の前で扉から転がり込んできたのは大きな人形と侵入者、アニス・タリトンだった
「あ……ご、ごめん……ねぇ!ティア知らない!?今朝いなくて、皆で探して、どこにもいなくて……!」
涙を浮かべる目の下に濃いクマを作ったアニスの言葉は珍しい程にたどたどしく、二人は理解にしばらくの時間を要した
だがやがて事態が国の保護観察下にあったティア・グランツの脱走であると判明してからのルークの動きは迅速だった
日々の苦労と今回の心労が重なり今にも倒れそうなアニスをナタリアに預け、服を着こんで足早に部屋を出ていく
「ねぇ……私達……これからどうなっちゃうのかな……」
その問いに答える者は誰もいない。ナタリアはベッドの上で弱り切ったアニスを強く抱きしめ、奥歯を噛み締める事しかできなかった



ふぁぁ……んあ?ハハハ坊よそう忙しく肩を揺らすな、今宵はここまでじゃて
そう怒るな……あくまでこれは寝物語。結末まで話しきると明日の愉しみがなくなるじゃろう?
ベルベット達も寝ておるし、なによりワシがもう眠い。寝る魔女は育つが寝ない聖隷は背が伸びんぞー
次回『テイルズオブザレイズ・レイドイベント!怪人マスクメロンと悲しみのマギルゥ』に乞うご期待じゃ
……しっかたないのう、坊の情熱に免じてあやつらの今後だけ占ってしんぜよう
そーれフィッチ・ウィッチ・フィッチ!
ほほう。なるほどなるほどこれは興味深い……ハハハ、結果を教えるとはひっとことも言っておらぬぞ坊
未来は魔女のみぞ知るってわけでおやすみマギンプイじゃよー!

ふたば/TOA怪文書/ジェイド独白

あの名文をまた読みたい人用のまとめ

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/493715530.htmより
作者:不明

おやルーク今日も魔物討伐のオーダーですか?頼られる人気者は大変ですねえ
まあ精々怪我しないよう頑張ってきてくださいよ?何?偶には私にも来いと?いえいえ研究が忙しくて
大体頼りになる人達もこちらには多い事ですし彼らと気軽に行って来てくださいよ
なんですか?私の笑顔が嘘くさい?また何か企んでるんじゃないか、と?いやいやまさかそんな事は…

行ってくれましたか…笑顔を作るのは本当に大変な物です、こういった事は慣れてる心算でしたけどねえ
おや?アニス、今日もルークのストーカーですか?人聞きが悪い?何か有った時の為?…そうですね
もし彼が超振動等起こそうとした場合一応本気で止めておいてください、何があるか解りませんから
何か企んでるんじゃないか…企みも望みもしますよこんな可能性のある世界では…
…おや?ガイ、あなたもルークのストーカーですか?人聞きが悪い?何か有った時の為?…そうですね
辛くて顔も合わせられないくせにお二人とも過保護な事です、気持ちは良くわかりますが
さて、あらゆる可能性を検証してまた絶望するとしますか…

おや…もうこんな時間でしたか
いつのまにやら随分と熱中してしまったようですね…なんの成果も得られない辺り頭と腰が痛いですが
本当に自分の無能に吐き気がしますよ…
おや?何かがドアの外に…これは…リンゴですか、全く貴方は本当に分かりやすい
ティアが喜んだからそれが我々の世界の常識だとでも思ったんでしょうね…
………ああ、そうでした。あなたはそれは違うと知る前に…止めましょう誰が聞いているのか分からない
さて、残念なことに今日はもう少し絶望する元気が出てしまいました
…幸せな事です、可能性が見える今の内は、でしょうけど

おや…気づけば眠ってしまっていたようです、リンゴのお陰で頑張りすぎましたね
まあまだ食べていないのですが、とりあえず朝食に頂きますか、これで夜までは持つでしょう
この顔で彼に会っては何を言われるか分かったものではないですからね…
会わなくても何をして来るか分からないのが現環境の怖さではありますが
とりあえず押し掛ればいいと提案しそうな友人も多く出来たみたいですし
アニスの言葉ではないですが、本当にこんな日々がルークに続けば良いのですが
いえ、そうなるようにしなくては…こちらでも…あちらでも…

ふたば/TOA怪文書/ジェイド独白

あの名文をまた読みたい人用のまとめ

スレッド:http://img.2chan.net/b/res/493004098.htmより
作者:不明

「……検査の結果ですが、どれもこれといった異常は見つかりませんでした。いつも通り、呆れるほどに健康体だ。……まあ、もとより分かりきった結果ではありましたが」
 茶番にも等しい検査を終え、愚痴めいた言葉と共にその結果を告げる。
「そうか」
 眼前の相手も予想がついていたのだろう、安堵するでもなく淡々とそれを受け入れていた。
「やれやれ、陛下にも困ったものです。一体いつまでこんなことを続けさせる気なのやら」
「恩情……なんだろう」
「何を言うんです、私への嫌がらせの間違いでしょう?」
 ジェイドがぴしゃりと放った否定の言葉に、「彼」は憮然とした表情で押し黙ってしまう。
「……とはいえ、事情を完全には把握していない者からすれば、そう思うのも無理はないでしょうがね」
「……俺も、こうして毎度毎度マルクトまで来るのはできれば遠慮したいところなんだがな」
「私もこんな意味のない検査に時間を割くのは御免被るのですがねえ。第一、専門外ですから」
 談笑、と呼ぶには冷えきった言葉の応酬をするのも、もうお決まりのようなものになっていた。

しかし、ジェイドにしろ「彼」にしろ、互いの事情をある程度把握しているもの同士、数少ない気兼ね無く話せる間柄であることもまた確かではあった。
 特に、「彼」にとっては己の正体を知る唯一の相手である己にくらいしかこうして演じる必要のない砕けた話し方をできる相手などいないだろうという自覚もジェイドにはあった。
 かつて、ローレライ教団の謡将ヴァンが起こした争乱の後、崩壊するエルドラントと共に運命を共にした筈の「彼」の帰還。
 英雄の帰還は「彼」を喪ったと嘆いていた者達を歓喜させ、預言を覆した存在に預言を失った不安を募らせる人々への希望とさえなった。
 ──そう。帰還を果たした者は「彼」なのだ。少なくとも、表向きは。
 その影となって一人命を散らした者の存在は、直接言葉を交わした者以外には気に留められることさえなかった。
 だが、真実は真逆だ。あの場所で消えた者は英雄とされた「彼」の側で、帰還を果たしたものはその影となったものだ。

しかしその真実を知るのはほんの一握りの者しか居らず、誰しもがそのことに触れようとはしなかった。
 いずれは取り繕えなくなる。それを理解しながらも。
「……因果というものは本当に困り者だ。近頃、ますますそう思うようになりました」
 吐き捨てるように、ジェイドは呟く。
 この意味のない検査を繰り返しているのも、眼前の青年が「彼」だとされていることに起因する。
 レプリカであった「彼」はいずれその肉体を構成する音素が乖離し、消滅する。事実、ヴァンとの戦いの中でもその予兆は度々起きていた。
 そんなレプリカである「彼」が生還し、今も生き永らえている。本来起こり得ない筈の奇跡であるが故に、その後も継続的な観察は必要である──というのは、ある種当然の流れではあった。
 奇跡の生還を果たした英雄が、その後すぐに死んでしまうことなどあってはならないからだ。
 そして、その観察役としてレプリカを産み出すフォミクリー技術の開発者にして第一人者であるジェイドが選ばれるのもまた必然であった。
 それ故、こんな無意味な茶番を定期的に繰り返す羽目になったのである。

「だが、それだけ平和だということなのかもしれないな」
「ええ、まあ。その点については同意します」
 ぽつりと呟かれた青年の言葉を肯定する。
 キムラスカ王国の公爵家の嫡子が、マルクト帝国の軍人のもとを伴もほとんど付けずに訪れる。
 本来ならば有り得ないはずのこの関係が今に至るまで続いていることは、両国の関係が良好であることの証左でもあった。
「お陰で、私はいつまでも慣れない生者の具合を診ることになってしまった訳ですが」
「いい加減、少しは慣れたんじゃないのか」
「ご冗談を。死霊使いが医者の真似事など、笑い話にもなりませんよ」
「そうか? 前にも一度似たようなことをしたことがあっただろう」
「ああ、ベルケンドの」
 言われてみれば、そんな記憶がある。ベルケンドの音機関研究所で薬品を吸ってしまった仲間達に頼まれ、その解毒剤を即興で作ったのだったか。
 あの時は確か、「彼」も彼もその場にいて──
「……いや」
 連鎖的に「彼」のことを思い出しかけて、ジェイド小さく首を横に振る。
 それはもう、思い出しても仕方のないことだ。

「さて、そろそろ──」
「……ああ、そうだ」
「?」
 検査も終わったことだし、話すこともそうない。もういいだろう、と退席を促そうとしたその時、不意に青年の雰囲気が僅かに変化する。
「あの時と言えばさ、俺がジェイドの薬を飲んだんだったよな」
「────」
 明らかに、先程までとは声音が違っていた。聞き覚えのある、懐かしい声音。その声を、眼前の青年が発していた。
「あれを飲んで意識がぶっ飛んだ、俺、マジで死ぬかと思ったんだぞ? ジェイドのこと、一応あれでも信用して飲んだってのに……」
「貴方、は」
 何を、言っている。
 否、理屈の上では起こってもおかしくはない。そんなことは百も承知の筈だった。だが、頭の中で何かがその理解を拒絶していて、ジェイドの思考を鈍らせる。
 硬直するジェイドを尻目に、青年は「彼」の声音で話し続ける。
「それにさ、その後生き返って文句言ってもお前は全く悪びれてねーし、それどころかあの薬押し付けてくるし……ホント、いい性格してるよな」
「……」

 あの薬を飲むことを申し出たのは「彼」だった。今目の前にいる彼ではない。それどころか、薬を分け与えた時になもう、彼は研究所を去っていた。
 「彼」だけの、記憶なのだ。
「──ルーク」
 知らず、ジェイドはその名を口にしていた。
 彼が帰還して以来、一度たりとも呼んだことなどなかったのに。
「王位を簒奪するときに使えとかなんとか言ってたけど、んなもん使える訳ねーっつーの!」
「ルーク」
 目の前の相手は「彼」──ルークであって、ルークではない。そんなことは他ならぬ彼自身が知っているだろうに、引き渡された記憶を己の者として語ってしまっている。
「ああでも、結局あの薬も捨てるに捨てられなくて、今でも──」
「ルーク・フォン・ファブレ」
「! なっ、なんだよジェイド……顔、怖えーぞ」
 そんな彼の姿が正視できずにその名を呼ぶジェイドの顔を見て、怯えたような反応をする。
2018/04/04 00:41:05 No.495411284
 分かっていたはずだ。このようなことが起こり得る可能性も十分にあると。なのに、実際に目にすればこうも狼狽えてしまうとは。
 ジェイドは喉の奥に込み上げてくる何かを堪えながら、どうにか言葉を吐き出していた。
「貴方は、「彼」ではないでしょう」
「──」
 今度は、彼が硬直する番だった。
「あ、あ……」
 動機がするのだろう。目を見開いたまま胸を抑え、浅く早い呼吸を繰り返す。
「お、俺は……」
「落ち着きなさい」
 生きも絶え絶えになって椅子から転げ落ちそうになる青年を支えながら、ジェイドは苦虫を噛み潰したような顔を隠そうともしないまま背中をゆっくりと押していく。
「はあっ……はあっ……」
「……」
 そうして促されるままに深呼吸を幾度か繰り返したあと、どうにか落ち着いた彼は項垂れるように自らの手を見つめていた。

「……私が馬鹿でした。このようなことが起こるのは十分予測できたはずだ」
「いや……」
「……ネフリーに部屋を用意させます。もう大丈夫でしょうが、今日のところは休んだ方がいい」
「……ああ」
 ジェイドの有無を言わせぬ態度に、「ルーク」は力ない返事を返す。
「それでは、貴方の護衛に話をしてきます。もう少しそこで休んでおくといい」
「……すまなかった」
 ひとまずは落ち着いただろうと判断して部屋を出る間際、消え入るような謝罪の言葉が聞こえた。
「……、……、……、……、……」
 それに気づかない振りをしたジェイドは扉を閉めた後、誰もいない廊下で一人、しばし顔に手を当てていた。

【称号「ドクトルマンボ」取得】

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